AIA(アメリカ建築家教会)の主催で行われた国際アイディアコンペ。コンペの内容はマンハッタン横に流れるイースト川に浮かぶルーズベルト島にある元病院をアートセンターに改修するものでした。この病院は天然痘の病院として隔離されていた建物だと思いますが、これをいかに活用していくかが大事だと考え、歴史ある建物をガラスのケースに入れて保存していくことを提案しました。
対岸にあるマンハッタンの垂直なビル群と対比を考えて、島の長辺に沿って3種類の劇場、アートギャラリー、工房、ホールなどのアートセンターの機能を水平な軸上に配置しています。元病院はメイン劇場に改修してアートセンターの軸上の中心としました。外壁の損傷が進んでおり、ガラスキューブで包み込むことで「さらなる損傷を防ぐこと」、「外壁を展示物にして島の歴史を伝えるモニュメントとすること」を狙いとしています。
コンペの結果はうまくいきませんでしたが、当時、違う研究室の後輩たちと「西」つながりで組もうと盛り上がっていましたね。ちょうど西川裕紀さんが知人のもとへアメリカ旅行を行く用事があったので、現地の視察をしてくれたのもの大きかったです。今振り返ってみると、保存した建物がどういったデザインになったのか、パースで見せても良かったかなと思います。
西本雅人、西川正晃、西川裕紀
2006 ENYA Biennial International Ideas Competition Committee AIA主催
(American Institute of Architects New York Chapter)
2006年1月