ニシモラボでは、建築計画学の視点から「こども環境」を研究しています。主な対象は、保育園・幼稚園・認定こども園などの保育施設です。そのほかにも、小学校・中学校、図書館、遊び場、こども病院など、こどもの学びや暮らしに関わる場所を扱っています。特に、園舎や園庭、遊具、家具などの環境が、こどもの遊び方や動き、友達との関わり、毎日の生活にどのような変化を与えるのかを明らかにすることが研究の特色です。
このページでは研究について少し紹介しますね。

こどもが毎日を過ごす保育施設。その「環境」が、実は子どもの育ちに大きく関わっています。
私たちの研究室では、保育室のつくり方や素材、遊び場のデザインがこどもの体や遊びにどう影響するかを、実際の保育園に通いながら明らかにしています。


今、子どもの体力低下が全国的な課題になっています。国は「幼児期にこそ、様々な体の動かし方(36種類の基本的な動作)を経験することが大切」としていますが、実際に保育施設でその動きがちゃんとできているのかは、これまであまり分かっていませんでした。私たちは3年間にわたって同じ保育園に通い、子どもの歩数や動きを記録し、「どんな遊び環境なら体力が伸びるのか」を明らかにしています。


保育室の中には「制作コーナー」「ままごとコーナー」のように、遊びごとに場所が分かれています。実はこのコーナーの配置は、保育者さんが子どもの成長や季節に合わせて少しずつ変えているのです。私たちは1年間、実際の保育室を観察し続け、「どんなコーナーの組み合わせが、子どもをより夢中にさせるのか」「保育士さんはどんな考えでコーナーをつくっているのか」を明らかにしました。


最近、保育施設の内装に木を使う「木質化」が増えています。木を使うと子どもや保育者さんにどんな効果があるのか、アンケート調査から明らかにしました。その結果、内装の木の割合によって、保育者さんからみたこどもの様子が変わることが分かってきました。一方で、木は傷がついたり滑りやすくなったりするため、使い続けるための工夫も必要だということも見えてきています。

少子化の時代、小学校や中学校の統合が進んでいます。統合をする際にどんなことが大切になるのでしょうか?

少子化と学校の老朽化によって小学校や中学校の統合が進みでいます。統合することで、通学区域が広がりバス通学に変わったり、活動や運営方法が異なる小学校と中学校が一緒になることで、活動場所の多様化、生徒同士や先生同士の交流などが課題になっていきます。それらの課題にどのように解決できるかを研究しています。

バスに乗ると、歩いていたときより多くの景色が見えるはず——そう思いませんか? 実際に調べてみると、少し違う結果が出ました。私たちは、徒歩からバス通学に切り替わる子どもたちを対象にワークショップを行い、通学路で覚えている風景を尋ねました。その結果、バス通学の子どもは徒歩の子どもより遠くの自然物を覚えている一方、覚えている場所はバス停の近くに集中していることが分かりました。子どもと地域とのつながりを保つためには、バス停を単なる乗り場ではなく、地域と関わる大切な拠点として計画する必要がありそうです。


小学校の先生と中学校の先生、実は理想の職員室の使い方が違うとしたら、どうしますか? 私たちは学校ができる前に両方の先生にアンケート調査を行い、「打ち合わせの回数や場所」「メディアセンターの静か・にぎやかな使い方」「多目的室での活動内容」など、意見が分かれやすいポイントを明らかにしました。設計の際は、こうした違いを踏まえて、両方の先生が納得できる空間をつくることが大切です。


働いたことのない学校のことを、どうやって「自分ごと」として設計に関わればいいと思いますか? 私たちは、小中一貫校を経験したことがない先生方同士が、お互いの学校の活動や文化を理解し合えるように、「活動カード」を使ったワークショップの手法を考案しました。学校が建つ前にこのワークショップを行うことで、小学校と中学校それぞれの文化や活動を先生同士が共有し、より良い施設計画につなげることができます。

ニシモラボでの研究に興味を持ってくれたのなら、ぜひ修士論文のページもぜひご覧ください。修士論文は大学院2年間で取り組む研究です。ここでは紹介しきれなかった施設や研究テーマもありますよ!

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