インターネットで世界とつながれる一方、同じリビングにいる家族が別々の画面を見る現代。この住宅は、家族を同じ行動へまとめるのではなく、一人ひとりの趣味や個性を持ち寄り、それらが波のように混ざる共用空間を考えます。
敷地は海と山に挟まれた越前海岸。読書、お絵描き、ガーデニング、日曜大工など、父母と兄妹の異なる活動に専用の場所を与えつつ、個室と共用部の間に中間領域を挟みます。可動的な枠組みは、棚や間仕切り、作品展示などへ変化します。
個性を自室に閉じ込めず、物や道具が境界へあふれることで、家族は互いの好きなことを自然に知ります。海の波打ち際で異なるものが出会うように、近づいたり離れたりしながら関係を更新できるのが魅力です。家族の違いを弱めず、色とりどりの居場所へ育てる家です。
内藤三刀夢
第29回北陸の家づくり設計コンペ「つなぐ家」
