忙しい家族が別々に過ごす時間が増えるなか、住まいの中心へ自然に意識が集まる仕組みを考えた住宅です。福井市の静かな住宅地で、地面を掘る、床を削るという操作から段差をつくり、家族四人が集う地階を生み出します。
中央には大きな掘りごたつのような居場所があり、食事やおしゃべり、遊びを受け止めます。一階と二階の部屋は吹き抜けに向かって開き、勉強机や腰掛けになる段差から、下の階の賑わいを眺められます。上下に離れていても声や視線がつながります。
地階には料理を楽しむ台所や洞窟のような趣味室を配置し、日常の振る舞いが中心へあふれ出します。単に広いリビングを置くのではなく、下りる、腰掛ける、のぞくという身体の動きで家族を引き寄せる点が特徴。家の中の高低差が、安心感と愛着を育てます。
山本輝樹
第29回北陸の家づくり設計コンペ「つなぐ家」

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