Filter

画面越しの情報に追われる生活から少し離れ、空の色、雨音、風、木々の変化を五感で味わう住宅です。福井市の大通りと川に挟まれた敷地で、騒がしい都市側と穏やかな自然側の違いを、遮断するのではなく「フィルター」を通して楽しみます。

急勾配の曇りガラス屋根、光を反射する曲面壁、空だけを切り取る高窓、雨を雫と音に変える傘屋根、揺れるレースカーテン。五つのフィルターが、外の刺激をやわらげながら室内へ運びます。同じ部屋でも天候や時間によって色や明るさが変わり、暮らしに小さな発見が生まれます。

屋外には鉄管のフレームが伸び、住む人がタープを張ったり、バーベキューの場をつくったりできます。家は完成した瞬間に固定されず、季節や家族の工夫で表情を変え続けます。デジタルの時計や天気予報を見る前に、建築を通して今この瞬間を感じる——そんなゆっくりした時間を提案した作品です。

藤原循平
北陸の家づくりコンペ

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