引っ越しのたびに、時計や写真、棚を外し、壁との思い出まで置いてきてしまう。そんな身近な違和感から生まれた、次の住まいへ持ち運べる壁です。家具のようでありながら空間を仕切り、住む人の時間を受け止める相棒として設計されています。
高さ二メートル、幅一・二メートル、奥行き三十センチを基本寸法とし、ハンドルでキャスターを出して移動できます。開口の位置や大きさを変えた十一種類があり、本棚、腰掛け、収納、窓のように使い分けながら、ワンルームの公と私を柔らかく分けます。
同じ壁を長く使えば、冷蔵庫を買い替えたときに昔の大きさを思い出すなど、壁が暮らしの物差しになります。部屋に合わせて生活を押し込むのではなく、住む人が壁と対話しながら場所をつくるのが魅力です。可愛らしく色とりどりの壁が、住まいを越えて記憶を運び続けます。
宮澤周平、川畑奨太、森田慶助
第15回 エイブル空間デザインコンペティション
入選作品に選出(上位6作品に選出されました)




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