木育を軸とした学校づくりワークショップ
(はじまり)(H小学校)

 

 
写真は東畑建築事務所から提供    

 

全国初の木造3階建の小学校

 
星の杜小学校は、文部科学省「木の学校づくり先導事業」による支援を受けた全国初の木造3階建て小学校です。建設には多くの魚津市産の木材が使われており、木が持つ香り、あたたかみや感触、高い吸放湿性といった優れた性能を活かした木造校舎は、潤いある学習・生活環境を実現する大きな効果が期待できます。校舎そのものが教材となって、木を活かした木育など、地域に目を向けた学習にもつながります。
 
  写真は東畑建築事務所から提供

建物ができたあとも関わりたい

 
 設計・施工段階でワークショップは盛んに行われていますが、完成後はほとんどワークショップは行われていません。本当であれば話し合ったことがどのように活かされているか、どのように学校を使っていくか、継続してワークショップを開催していくことが大切です。継続していかなければ、完成後に通う子どもや教職員にはワークショップの内容や学校づくりの経緯が伝わらなくなり、最悪の場合、ワークショップで話し合ってつくられた建物が使いづらいと感じるようになって不満が出ることもあります。
 
 継続的にワークショップを行うためにはどうすればよいか、私たちはワークショップに教育という要素や使いこなしていく要素がないことが課題だと思いました。ワークショップでは新しい学校をつくる上で、地域の教育のあり方を見直し、そのためにどのような学校を用意するべきかを議論する必要があると感じました。そこで今回は新校舎の設計を行う中で、学校づくりと一緒に教育づくりも行っていくことに取り組みました。
 

  

「木育」をキーワードに

 
 学校と教育をつくるワークショップにするという課題に対して「木育」という分かりやすいテーマを掲げました。これは校舎が全国初の木造3階建ての小学校という側面が強かったため、木を使った教育をしていこうという狙いがあったためです。そのためのチームづくりから始め、教職員ワークショップ、子どもワークショップを行いました。各回では常に前半と後半に分けて、木育や教育について考えてもらい、実際に活動してみるという流れにしました。そして、地域の人材を積極的に取り入れることで、木の産業を学ぶ環境教育の場としました。
  

チームをつくる

 
 学校が利用されてからも継続的な取り組みにするためにはチームづくりが必要です。活動の企画や準備の負担を分散するためと、地域の人たちが関わりやすくするためです。チームのメンバーには設計事務所、大学の研究者と学生、教育委員会、小学校の先生、そして地域の職人がいます。
 
 この地域の職人をメンバーに加えたのは、学校を作るためには多くの職人の技術が集約されており、その技術をこどもたちに伝えたいこと、地元の人たちが活躍する場を提供したかったことを考えたためです。地元に素晴らしい職や技術があることをこどものうちから知ることで地元を好きになる気持ちを育てることになります。
 
 いつか、この取り組みが縁となり、その職を担う人材が育つことも期待しています。地元の職人を探しは教育委員会の方が奮闘していただきました。地元のネットワークを活かし、学校の建設には直接関わりのなかった彫刻職人や漆職人にも参加していただき、活動の幅が広がりました。
 

  

ワークショップメンバー

  • 久保久志さん(株式会社東畑建築事務所)
  • 江端雄也さん(株式会社鈴木一級建築士事務所)
  • 塚田由香里さん(同志社女子大学・准教授)
  • 宇野勇治さん(愛知産業大学 宇野勇治研究室)
  • 松木憲司さん(蒼築舎株式会社)
  • 辻悟さん・辻亮さん(株式会社工房ヤマセン辻佛檀)
  • 新川森林組合のみなさん
  • 旧住吉小学校・旧松倉小学校・旧上中島小学校のみなさま
  • 星の杜小学校のみなさま
  • 魚津市教育委員会のみなさま

ワークショップ期間

  • 2016年〜継続中
  • 2016年:教職員WS(6回)、こどもWS(1回)
  • 2018年:教職員WS(2回)、こどもWS(7回)
  • 2019年:教職員WS(1回)、こどもWS(4回)
  • 2020年:こどもWS(2回)
  • 2021年:こどもWS(2回)